山上蒲鉾店ロゴ 140年の歴史の老舗、厚生労働省認定ものづくりマイスター
全国蒲鉾品評会 「農林水産大臣賞」を通算5回受賞
有限会社 山上蒲鉾店

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是非、お気軽にご来店下さい。

白グチ

原材料のグチについて

蒲鉾の原材料としてのグチ

私達がつくって販売している蒲鉾の原材料となるのは、グチという魚です。

昔から、小田原では、相模湾で獲れる沖ギスや小ムツ等を原材料として使ってきましたが、徐々に相模湾で魚が獲れなくなってきて、明治40年ぐらいからグチが使われるようになってきました。
蒲鉾の原材料として、本格的にグチが使われるようになったのは、大正時代に入ってからです。

現在の日本では、一般的な蒲鉾の原材料は、タラの冷凍すり身が北米から輸入されて使われています。
高級蒲鉾の原材料としてはグチが使わることが多いです。

山上蒲鉾店でグチを原材料に使う理由

私達、山上蒲鉾店の蒲鉾は、一般的な蒲鉾と異なり、グチが主たる原材料として使われています。
第九代目の上村和吉の頃に、原材料は済州島沖のグチが一番であると判断し、以来、グチを主原料として蒲鉾づくりをしております。

海域で異なるグチ

一口にグチと言っても、獲れる海域によって影響を受け、その身質や脂・味は異なります。
海流の強さや、海水の温度に影響を受けるためです。
全般的には、南に下がる程、身質が粗く、匂いが強くなります。

以下の表は、各海域で獲れるグチの特徴をまとめたものです。

しなやかさ
魚の身全体の粘りを指しています。
弾力
魚肉の弾力を指しています。
魚肉に含まれる脂の量を指しています。
香り
魚肉の香りを指しています。
色合い
グチには、その皮の表面の色で、白グチ、黒グチ、黄グチという種類があります。
ここで示している色合いとは、その皮の色ではなく、魚肉の色を指しています。
基本的には、白身の魚ですが、多少、肉色が違います。
魚の皮の厚さを指しています。
海域 粘り・しなやかさ 弾力 香り色合い
済州島沖 多い 普通ピンクがかっている薄い
石巻 多い 弱い黒みがかっている薄い
四国・下関・東京湾 少ない 弱い黒みがかっている普通
長崎・和歌山 少ない 弱いピンクがかっている普通
台湾東部 多い 強いピンクがかっている厚い

山上蒲鉾店で仕入れているグチの海域

私達、山上蒲鉾店では、主に済州島沖付近で漁獲されるグチを仕入れて使っています。

漁獲時期で異なるグチ

6月から8月、グチは産卵期を迎えます。
産卵期は、体内の栄養分を大量に使うので、産卵後に獲ったグチは身質があまり良くありません。
従って、基本的には、産卵後に獲れたグチは使いません。
どうしても、原材料が足りなくてやむを得ない場合には、子を持たない(卵を体内に宿していない)グチを使います。

9月から5月頃までのグチが美味しい状態です。

山上蒲鉾店でグチを仕入れている時期

私達、山上蒲鉾店では、9月から5月までの9ヶ月の間に獲れたグチを仕入れています。

魚体で異なるグチ

グチは魚であり、生物ですから、成長の度合いによって大きさが異なります。
網で獲る漁ですので、様々な大きさのグチが獲れます。

グチは、大きさによって選別されて、値付けされて販売されます。
魚体の大きさは、魚市場においては、以下の名称で呼ばれています。

魚体の大きさの名称大きさ蒲鉾の原料として適している度合い
大白だいしろ30cm以上大き過ぎて身質が粗く、大味なので適さない
中白ちゅうしろ25cm5番
中小白ちゅうこしろ20cm3番
小白こしろ17cm1番
大豆白だいまめしろ15cm2番
豆白まめしろ13cm4番
豆々まめまめ10cm小さくて弾力が弱いので、適さない
SP(Super)8cm小さすぎて板蒲鉾には適さない
グチの魚体の種別

山上蒲鉾店で選んでいるグチの魚体

私達、山上蒲鉾店では、小白、大豆白クラスのグチを仕入れています。

自社でグチを仕入れて、すり身をつくる理由

上述の通り、一口にグチと言っても、実は、獲れる海域や時期、また大きさなどによって、魚肉の状態が異なります。
従って、上質なすり身をつくるためには、どうしても自社ですり身にする必要があります。

自社で採る一番肉とその使い道

グチは、皮に近い部分に血合い肉があるため、採肉する際には機械を調整して白身の部分のみを取り出しています。
これを、一番肉と言い、これが私達山上蒲鉾店での板付き蒲鉾の原料となります。

自社で採る二番肉とその使い道

血合い肉は、一番肉を採った後に、再度、採肉機に掛けて、身を取り、水晒しをします。
これを、二番肉と言い、身の色が灰色で弾力は落ちますが、味は良いので、私達山上蒲鉾店では、さつま揚げの原料にしています。

自社で水晒しする理由

獲れた海域や時期で、身の脂の量が異なるため、水晒しをどの位するかも、水の量の微妙な加減の調整が求められます。
水晒しをすれば良いというわけではなく、晒し過ぎても駄目ですし、晒しが足りないのも駄目です。
また、水晒しの後には、脱水がありますが、これも多くても少なくても駄目なのです。

厳選して仕入れた「グチ」を活かすために、全ての工程が問われる

値段の高い高級蒲鉾では、グチが原材料として使われている事が多いのです。
しかし、このグチという魚の素材を活かすためには、蒲鉾の原材料として適している地域・時期・大きさのグチを選ぶ必要があります。
その厳選されたグチを、適切な加工技術によってすり身にしなければ、グチの素材を100%活かした美味しい蒲鉾は出来ません。

原材料だけでなく、全ての工程に神経を配って注力しなくてはいけないのです。
だから、私達山上蒲鉾店では、自社ですり身をつくる事にこだわっています。